オプション取引での利確とポジション入れ替えについて

当ページのリンクには広告が含まれています。
stock-g6cf54e20b_640

オプション取引ではリスクパラメータにギリシャ文字のデルタ、ガンマ、ベガ、セータがあります。

先物取引は純粋にデルタだけなのでオプション取引ならではのリスクパラメータにガンマとベガ、セータがあります。

今回はポジション入れ替える時に何が起こっているかについてを紹介します。

目次

デルタニュートラル

日経オプションでいうと、先物が上下すると損益が発生します。デルタニュートラルは先物(原資産)の上下変化の損益リスクをヘッジすることができます。一方、オプションのデルタ、ガンマ、ベガは原資産の変動によって変化します。

リスクパラメータの関係性

なので、デルタをヘッジしてもガンマとベガは先物が動いてしまうとリスクパラメータが変化します。

デルタとガンマは表裏一体。ガンマとベガは同じ方向に動きます。

ガンマロング(ベガロング)は先物方向があってれば利益が増える方向に、逆の場合は損失が減る方向に動きます。

コールの買いで先物が上昇するケース、プットの買いで先物が下落するケース

ガンマショート(ベガショート)は先物方向と逆行した場合、利益は減る方向、逆に損失は増大する方向に動きます。

コールの売りで先物が上昇するケース、プットの売りで先物が下落するケース

デルタを保った場合のポジション交換

先物ミニ買い+プット買いのプロテクティブプットを組成した場合に先物が上昇、下落した場合のケースを考えます。

先物上昇ケース

十分に先物が上昇した場合、先物ミニはプラスでプットオプション価格は減っていますがガンマロングのためOTMになっても価格が減りにくくなります。短期間においてはセータの影響は少なく、まあ含み益がでる状態になります。

想定としては、ポジション全体含み益で 先物ミニプラス、プットオプションはマイナス となっています。

通常先物が上昇した場合、プットのボラティリティは増加します。平時においては

ポジション全体含み益で 先物ミニプラス、プットオプションはマイナス ですが、プットオプション自体はベガロング益分が加わります。

相対的には割高になっている可能性が高いのです。

ここで、ポジションの調整を考えます。デルタはニュートラルに調整します。

先物を利確してコール買いに置換

先物の利益は確保しておきたいのでコールを買ってデルタを保った場合です。

コールを買うとコール買い+プット買いでロングストラドルになります。

ガンマとベガは増えるので、大変動時を想定したポジションどりになります。

かなり攻めているポジションになります。

先物を利確してプット売りに置換

この場合はプットのクレジットスプレッドになります。ベガはショートでドテン。様子見に近い感じになります。

ポジションの優位性としては、プットのボラティリティが上昇したときにありそうです。

プット買いをコール売りに置換

プットのボラティリティが上昇したときにプットを切ってネガティブデルタ分をコールの売りで置換するという交換です。ベガショートドテンになります。ポジションはカバードコールになります。

ヨコヨコを想定したポジションどり、年に数回ある先物が上がったときの上昇時でのコールのボラティリティ上昇パターンで出番があるかもしれません。

この変換は利確が入っていないので先物を適当なところで利確しておく必要があります。想定パターンとしては先物が強いときに役立ちます。カバードコールは下落には弱いので、よほどコールのIV盛りが強いか、相場観が相当あっていないとこの変換はリスクが高いです。

先物をある程度利確しておいてからカバードコールに変換するのであればリスクは少し軽減します。

プット買いを先物売りに置換

これは一旦利確でポジションをスクエアにした上で、ボラティリティ状況で優位性が出る可能性があります。先物が上がった場合、一般的にIVは下がりますがプットIVは上がってコールIVは下がる傾向があります。

なので、IVが下がっているコールを買って先物を売ります。ポジションはプロテクティブコールになります。

ガンマロングポジションになるので、変動時に勝負となります。先物の下落を期待するポジションになります。

期近、期先のIV鞘利用

期近と期先でボラティリティに差がある場合、カレンダースプレッド、リバースカレンダースプレッドを考慮できます。

上記は1例ですが、実践でよく使う変換としては先物を利確しておきたいので(プットのコスト回収)

ポジションをスクエアにして、コールを買って先物売りをあてておくのを一番よく使います

まとめ

ポジションの入れかえは複数枚あるときはベガをドテンするなど役に立ちますが、コール、プットが相対的に買われすぎか売られすぎかで優位性は変わってきてしまいます。また、オプション期日も影響してきます。先物がどうなるか、IVがどうなるかも判断基準になります。実践を続けることで様々なパターンがでてきます。

オプショントレーディングおすすめ本

英語ですが最近読んだ本では一番のお気に入りです。ボラティリティートレードについて詳しく解説しています。ダイナミックヘッジについても触れられています。


Trading Options Greeks: How Time, Volatility, and Other Pricing Factors Drive Profits

定番ですが、こちらもわかりやすいですね


カプランのオプション売買戦略

stock-g6cf54e20b_640

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ボラティリティトレードを意識してオプショントレーディングのエッジを追求していきたいと研究の日々です。よろしくお願い申し上げます。

このフォームに入力するには、ブラウザーで JavaScript を有効にしてください。
目次